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Interweave2022

【INTERWEAVEプロローグ】パートナー企業紹介 〜かゞみや〜

2021年、福井を中心に展開する企業とともに事業創出に取り組むプログラム「INTERWEAVE(インターウィーブ)」がスタートします。これからはじまるプログラムに先立ち、本年度のパートナー企業をご紹介していきます。

ルーツは安土桃山時代の鏡屋

1社目にご紹介するのは、福井県内で5店舗のギフトショップを展開する「株式会社かゞみや」。県内で放映されている「ありがとうございます。かゞみやでございます」のテレビCMでもお馴染みです。福井のお土産物屋といえば必ず名前が出てくるほど、圧倒的な知名度を誇る企業で、JR福井駅前の複合施設「ハピリン」1Fのショップには週末になると900人以上のお客さんが訪れるそう。

土産物屋として昭和28年に創業したかゞみや。しかし、そのルーツはなんと安土桃山時代に遡ります。

「文献によると、かゞみやの発祥は京都だったと言われています。名前の通り、もともと鏡をつくっていて、加藤清正の命で北野天満宮に鏡を奉納したこともあったそうです。その後、時代とともに鏡のニーズが減っていったことから拠点を京都から北に移し、北前船で運ばれた商品を扱う乾物屋になったと言われています」と教えてくださったのは、株式会社かゞみやの代表取締役 木瀬將盛(きせ まさもり)さん。

 

さらに昭和初期には福井県内における食品スーパーの草分け的存在「ユース」の贈答品部門としてかゞみやを創業。県内のショッピングセンターが次々立ち上がるなか、かゞみやも店舗を拡大していきました。

好きなものを組み合わせて


現在、かゞみやの四代目である木瀬さんはもちろん福井出身。大学を卒業後、東京の百貨店に入社し食品部や販売促進部に在籍していましたが、2018年に福井駅前の商業施設「ハピリン」がオープンするタイミングでUターン。家業であるかゞみやに入社し、ハピリン1Fの新店舗の立ち上げに奔走しました。


「昔に比べると、時代とともに高単価なお中元やお歳暮が少なくなっているのを感じていました。しかしその一方で、ハロウィンやバレンタイン、クリスマスなどカジュアルな贈り物は増えています。これまでは箱で売られているお土産物が多かったのですが、ハピリンの店舗ではより気軽にお土産を買っていただけるよう個包装や小さなサイズの商品を増やし、好きな種類を組み合わせて買える売り方にしてみました」

例えば、福井の代表的な銘菓の一つである「五月ケ瀬」。通常であれば箱やパッケージに入っていますが、かゞみやハピリン店では1枚からバラ売りしており、気軽に購入できると好評です。


特に箱に入った大容量のものは、売れなければそのまま廃棄しなければなりません。しかし、バラ売りを始めたことにより、廃棄もほとんど出なくなるという嬉しい結果もついてきました。

かゞみやにしかできないことを考える

さまざまな工夫で福井のお土産物文化を支えているかゞみや。しかし、木瀬さんはもっと先を見据えています。


「時代とともに、お土産に対する考え方や価値観は変化していきますが、日本ならではの“贈り合う文化”はこれからもなくならないと思っています。しかし、従来のようなお客様を待つ“待ちの店”では、先細りしていくだけ。かゞみやだからこそできることをもっと考えていきたいですね。今回参加させていただく『INTERWEAVE』では、これまでのかゞみやに大きな変化を生み出すような新しい取り組みのきっかけになればと思っています」

 

情報発信やオンライン販売を充実させつつ、実店舗でのきめ細やかなサービスも大切にしたいと語る木瀬さん。INTERWEAVEの活動が福井のお土産物文化にどのような新しい風をもたらすのか、注目です。

 

(text:Ai Ishihara  Photo:Kyoko Kataoka)


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