CONTACT
PROJECT
Interweave2022

【INTERWEAVE2022】レポート 第3回ワークショップ

 

 

福井を中心に展開するパートナー企業と外部人材がそれぞれのスキルをかけあわせて事業創出に取り組むプログラム「INTERWEAVE(インターウィーブ)」。2023年1月21日(土)・22日(日)、第3回目のワークショップが行われました。


全3回のワークショップを行う「INTERWEAVE」もいよいよ大詰め。次回の最終報告会に向けてプロジェクトの最終調整です。今回は、チームの活動や事業案を全体で共有する中間プレゼンが行われました。

 

福井らしさに角文の強みを合わせた文具を開発している角文チーム。プロジェクトマネジメントの経験が豊富なメンバーを中心に、ディスカッションを重ねてきました。

 

でき上がった試作品はこちら。角文のヒット商品であるONFILEをベースに作った「ZEN NOTE」です。前回のワークショップで訪れた永平寺の体験がインスピレーションとなっており、商品の開発には実証実験も取り入れたそう。東京・渋谷にあるヒカリエでは、「ZEN NOTE」のサンプルを使って2日間の検証を行いました。

 


 

「見た目が良い商品は世の中にあふれていますが、エクスペリエンスがないと消費者の心はつかめません。文具に置き換えて考えたとき、書くことで ”心を整える” という体験を届けたいと思いました。文具を超えた価値を見出していきたいですね。」と、角谷社長は話します。

 

 

「ZEN NOTE」には、「整う」ためのこだわりがたくさんあります。ペンや紙は上質なものを選び、高級感たっぷりに仕立てました。素材のよいものを選ぶことで使う人の気持ちがより前向きになるように、そんな願いが込められています。

 

そして、書く前に「所作」を行います。心を整えようと思っても、周囲の雑音があるとなかなか集中できないもの。特に携帯電話は日頃の生活で切り離せないものになっています。ファイルの左ポケットには電波が遮断される機能が付いているので、ここに携帯電話を入れれば自分の世界に集中できます。これは永平寺で感じた「所作」の重要性から生まれたアイデアです。

 

 

そして準備が整ったら、「ZEN NOTE」に「問い」を書きます。

 

週の行動を書いたり、不安なことを書いたり、ノートの使い方はさまざまです。あまり文字を書く機会がない人でもイメージしやすいように考えたとき、生まれたのが「問い」というキーワードでした。

 


 

今後は、商品の仕様やノートの使い方について、さらに具体化するのだそう。それぞれの「問い」をどういったものにするのか、解を見つけて最終プレゼンテーションにのぞみたいとメンバーの皆さんは話します。

 

前回は「お菓子や企業のことを知る」をテーマに活動をした森八大名閣チーム。そこからディスカッションを重ねて、アイデアが完成しました。森社長の思い、社員の方の思い、森八大名閣の歴史から着想を経て、中長期的な地域性を発展させていくお客さま作りを目指します。

 


 

そこで生まれた施策の一つが、2028年の「キッザニアモデル」のリリースです。福井県内の地場産業を中心としたキッザアのような職業体験の場を作りたいと考えました。

 

この構想を実現するために、森八大名閣で定期イベントを実施して検証や改善を重ねていきます。まず最初に開催するのは、日和を舞台にしたチョコレート作り体験です。

 

家庭でチョコレートを作る工程といえば、板チョコを溶かして型に流し込むというイメージが大半です。板チョコがどのように作られるのか、原料のカカオ豆はどんなものなのか、あまり知られていません。原料からチョコレートを作ることで、お菓子に興味を持ってもらうのが狙いです。







今回はメンバーでワークショップのデモンストレーションも行いました。

 

イントロダクションでチョコレートの知識を学び、実際に4種類を食べ比べ。カカオの産地や配合で、まったく違う味わいになることに気付きます。

 

そして豆を焙煎してチョコレート作りがスタート。カカオニブを見るのは初めてというメンバーも多く、大人でも楽しめるコンテンツだったようです。自分で作ったチョコレートの美味しさはひとしお。ワークショップ本番への期待がふくらみます。

 

 

ワークショップを開催しようと思ったきっかけは、社員の方の体験談からでした。

 

「小学生の頃、通学路に森八大名閣があり、お店を覗くと店員さんが親切に案内してくれました。それが思い出となり入社したいと思いました。」

 

この話を聞いて、まずは森八大名閣を知ってもらう、より身近に感じてもらうことが大切だと感じたそう。地元に愛される森八大名閣ならではのエピソードではないでしょうか。


その他にも、ファン作りのためにさまざまな仕掛けを考えているのだとか。福井県を日本一の故郷にするという思いが生み出すイノベーションに注目です。

 

恐竜にゆかりある施設を訪れ、現地リサーチを終えたイクラボチーム。新店舗となる「ダイナソーベース」について、経営理念やビジョンを見直しました。

 


 

「小学校に行くことが不安だという子どもはたくさんいます。ところが、恐竜ランドセルが子どもたちの元に届いた途端、学校に行きたいと意欲を出したという話を数多く聞きました。自分で決めたランドセルと持つことで自己肯定感が高まるのではないでしょうか。」と、山田社長は言います。

 

ダイナソーベースを一から作るべく、強みや弱みを徹底的にリサーチ。ペルソナとしても活躍していたのは、小学生のお子さんがいらっしゃるメンバーの蔵田さんでした。ランドセルを購入するまでのプロセスをリアルな視点で掘り下げます。

 


 

今回のプロジェクトでは、4つの施策に取り組むことになりました。

 

1つめは、恐竜グッズの商品企画です。カルタや神経衰弱など、幼少期にも使いやすいグッズが有力候補。セレクトした既製品の恐竜グッズをダイナソーベースに置くことから始め、将来的にはオリジナルの恐竜グッズの制作販売ができたらと考えます。オリジナルグッズは、地元企業の技術を活かしたものにしたいと検討しているそう。

 

2つめは、展示会でのアンケートの実施です。グーグルフォームなどを使って今年2月の展示会から導入し、お客さまの声を集めます。最終的には体系化してデジタルマーケティングにつなげたいと話します。

 




 

3つめは、ファンコミュニティの運営です。会員限定コンテンツを提供し、ダイナソーベースのファンになってもらうことが一番の狙い。まずは、インスタグラムのメンバー限定で、限定コンテンツの配信やリアルイベントの企画などを考えています。

4つめは、福井県立大学恐竜学部との連携です。設立される2025年を目指し、子どもが参加できるイベントや、恐竜学部監修の専門的な商品開発など、学びの場が広がるようなアイデアを構想しています。

 

 

今後はアンケートやファンコミュニティなど、具体的な運営について検討していくそう。子どもたちにワクワクを届けるダイナソーベースは、いったいどのような形になるのでしょうか。

福井を舞台にした「INTERWEAVE」、次回はいよいよ最終報告会です!

 

(Text:Mayu Nishikawa Photo:Ikki Kurahashi)


Related article関連記事

さらに読み込む

PROJECT