CONTACT
PROJECT
XSCHOOL

XSCHOOL第二期 パートナー企業をたずねて 〜株式会社タッセイ編〜

XSCHOOL第二期のパートナー企業である株式会社米五、荒井株式会社を訪れた講師・プログラムディレクターはじめ運営チーム。最後にやってきたのは、建築資材の提案・販売と内装工事を手がける株式会社タッセイ(以下、タッセイ)です。


「建てる」を応援する会社

タッセイの事業の柱は大きく2つ。
スーパーゼネコンや地元の建築会社から公共施設や商業施設、オフィス、マンションなどの内装工事を請け負う「コンストラクション事業」と、地元工務店や住宅メーカーに向けて建築資材を販売する「ハウジング事業」です。

 

創業以来、“「建てる」を応援する会社”として事業を展開してきたタッセイ。今回私たちは実際に内装工事が行われている現場を見学させていただきました。

 

▲タッセイの本社前には“「建てる」を応援する会社。”の看板が掲げられています

 

内装工事をトータルに手がける「タッセイ職友会」

向かったのは福井県内のとある現場。こちらでは外観がほぼ完成し、内装工事にとりかかっている最中でした。

内装工事と一口にいっても、その内容は鋼製下地工事、ボード仕上げ工事、クロス仕上げ工事、床仕上げ工事、造作家具工事、木工事、建具工事など工程によって細かく分けられています。


タッセイの強みの一つが、200名以上の専属職人集団「タッセイ職友会」を抱えていること。工事の内容によって各分野の職人を派遣することができるため、規模の大きな工事や急な案件であっても柔軟で一貫した対応ができるのです。

 

▲職人が寸法に合わせて石膏ボードをカットしていました

 

「タッセイ職友会」のはじまり

なぜタッセイ職友会が誕生したのか。その歴史は創業期に遡ります。終戦直後の昭和20年代前半、福井市を直撃した大地震により、まちは復興の最中でした。創業者である田中正義さんは新潟県の合板工場に勤めていましたが、地元・福井の復興のため帰郷し、昭和24(1946)年にベニヤ板を販売する「田中正義商店」を開業しました。これがタッセイのはじまりです。

その後、業界内でもいち早く新建材を取り入れ販売。取引先から建材の使い方について問い合わせが増えるうちに、自社で施工も行うようになりました。それに伴い、東海地方から専属の職人を呼び寄せ、その職人がさらに地元の職人を育てていったことが、「タッセイ職友会」結成へとつながっていきました。


しかし、今の建設業界は職人の高齢化や若者離れによる人手不足が顕著になっています。そこでタッセイでは、若手職人を育成するべく、2017年に自社職人チーム「TAT(タット:Tassey Artisan Team)」を立ち上げました。


TATとタッセイ職友会のメンバーがともに切磋琢磨しながら技術を磨き、建設業界の底上げを図っています。

 

かゆいところに手が届く、徹底したサポート体制


現場を見学したあとは本社に戻り、副社長の田中陽介さんによる案内のもと、資材倉庫を見学しました。

 

▲元俳優という異色の経歴を持つ副社長の田中陽介さん

 

タッセイの「ハウジング事業」では、工務店や住宅メーカーに建築資材や住宅設備などを販売しています。なんと取り扱いアイテム数は約220万種類以上! 驚くのはその数だけではありません。足を踏み入れると、倉庫とは思えないほど整理整頓された空間が広がっていました。

 

▲ベニヤ板もぴったりと積み重ねられていて、まるでブロックのよう

 

▲ネジやボルト、金物などがサイズごとに細かく分類されています

 

タッセイでは工務店や住宅メーカーから送られた図面をもとに、必要な資材を積算・見積もり。現場ごとに最適な数の資材を提案しています。

「例えば工務店さんから"フローリング工事に必要な資材が欲しい"と電話やメール、LINEで注文を受けるだけで、必要な枚数のフローリングから養生マット、グルー(接着剤)、テープなどを一式準備し、配達することが可能です。これを職人さんが1人で行うと、必要な資材の数を計算してホームセンターに行って購入し、自分たちで運ばなければならないなど、大変な時間と手間がかかります。私たちは職人さんの代わりに“倉庫機能”と“配達機能”を担うことで、職人さんたちが工事に集中できるようサポートしているんです」
と田中さん。

また、資金繰りに困らないよう請求の期日を調整するなど、“金融機能”も持ち合わせることで、特に小規模で経営している工務店にとっては支払いの面でも大きなメリットがあるようです。

 

▲配達用トラックの配車を行う部署では、行き先やトラックごとに伝票が細かく分けられていました。こちらも時間にロスがでないよう、配達ルートが工夫されているとのこと

 

工務店や住宅メーカーの縁の下の力持ちとなり、「ヒト・モノ」を通じた仕組みづくりを実践しているタッセイ。細やかな部分にまで行き届いている取り組みに、講師はじめ運営チームたち一同、大きな驚きと発見がありました。

 

XSCHOOLに期待を込めて

最後は田中猛雄社長や専務の中村秀美さん、営業企画室の松山嘉臣さん、コンストラクション営業部の牧野広明さんも加わり、和やかな雰囲気のもと意見交換が行われました。

 

▲右から田中社長、松山さん、牧野さん

 

▲タッセイの働き方や人づくり、在庫管理のシステムについて講師陣からさまざまな質問が飛び出しました

 

▲「XSCHOOLでは、これからの建設業界に風穴を開ける新しいアイデアに期待しています」と田中副社長と専務の中村さん(右)

 

予定より時間をオーバーしながらも、講師たちの質問に一つひとつ丁寧に答えてくださったタッセイのみなさん。その言葉の端々に「建築を通して福井のまちをより良くしたい」という想いが込められていました。

 

XSCHOOL第二期はいよいよ2017年9月30日からスタートします。今回訪れたパートナー企業3社とXSCHOOLメンバーはどのように「新しいプロジェクト」を生み出していくのでしょうか。引き続きその様子をご紹介していきますのでどうぞお楽しみに!

text:石原藍 photo:出地瑠以


Related article関連記事

さらに読み込む

PROJECT