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発表会まであと少し! 想いが届く企画書をつくるには 〜ワークショップ最終回〜

2017年9月末からはじまった全5回に及ぶXSCHOOL第二期のワークショップも、今回が最後となりました。発表会に向けてどのチームも焦りが高まっている様子です。ワークショップの二日目は、自分たちの想いを相手に届け、より多くのファンをつくるための「企画書講座」も開催。パートナー企業のみなさんや駆けつけた一期生も交じえ、全員が膝を突き合わせながら最後まで話し込みました。

 

2018年167日に行われた第5回ワークショップは、朝からチーム別面談がスタート。今回が最後のワークショップということもあり、今までにない緊張感が漂っています。

▲講師たちの言葉を聞き漏らさないよう、必死にメモを取るチーム

 

▲パートナー企業の方も、チームに交じって議論を重ねています

 

さらに一期生のメンバーも駆けつけ、自分たちの経験をもとに、各チームにアドバイスを行っていました。

▲「発表会前だからこそ、あらためてチーム内のコミュニケーションが大切に」と伝える一期生たち

 

編集的な思考を用いて魅力的な企画書をつくる

ワークショップの二日目には、XSCHOOLのプログラムディレクターである編集者・多田智美さんの「企画書講座」が開催されました。

 

企画書やプレゼンテーションのスライドは、どのような考え方でまとめていけば良いのでしょうか? そこには編集的な思考が大きな役割を果たします。

編集の役割とは、個人的な背景や社会的な背景、言語化されていない価値など、目に見えている部分だけではなく、目に見えない価値を伝えることだと語る多田さん。根っこの部分にある想いを紡ぐことで、伝えようとする物事に奥行きを与え、より相手に深く届けることができます。

 

魅力的な企画書とは「読み始めたら思わず一気に読み進めてしまうもの」、そして「その企みが思い浮かんでワクワクするようなもの」。そのプロジェクトが実現したらきっと面白くなりそう! 私もその仲間に加わりたい! と思ってもらえるような伝え方、届け方をするために、指針となる「編集方針」の大切さも学びました。

 

▲多田さんたちがこれまでにつくり出した門外不出の企画書も登場! ここでしか見ることのできない貴重な資料も披露されました。

 

企画書講座の後半は、受講生一人ひとりが自分たちのプロジェクトを言語化するワークを行いました。

プロジェクトを一言で紹介すると? プロジェクトを届けたい相手は? 自分がどんな時に心が動くか? このプロジェクトで一番伝えたいことは?

一人ひとりがそれぞれの言葉を紡ぎ、チームのメンバーに共有することで、核となるキーワードを導き出していきます。

▲メンバーそれぞれの視点に新しい気づきがあることも

 

発表会では各チームの企画書も展示予定です。当日はぜひご覧いただき、企画書の一言一句に込められたメンバーたちの想いを感じていただけたらと思います。

 

 

ワークショップの最後は、いよいよ最終のプレゼンテーションです。企画書講座を経て、10分間の発表に想いを込めました。

最後の発表とあって、どのチームも今までで一番熱のこもったプレゼンテーションでした。

7チームの内容に耳を傾ける講師やプログラムディレクターの姿も真剣そのもの。受講生たちはより伝わる言葉の選び方、プレゼンの流れなどチェックを受けながら、発表の内容を研ぎ澄ましていきました。

 

全5回のワークショップを終えて

9月からの4ヶ月間、それぞれが何を考え、何を感じながらここまでやってきたのでしょうか? まずは受講生の一人、福井出身福井在住の青山海里さんがXSCHOOLでのリサーチを通した気づきを話してくれました。

「これまで我が家では味噌にこだわりがなかったのですが、リサーチで『米五の味噌』を食べたのをきっかけに親も気に入り、今では米五の味噌を使っています。リサーチだけでも誰かの行動を変えられるのはすごいと思いました。実際のプロジェクトが動き出せば、もっと多くの人に影響を与えることができるのかもしれないと思うと、今から身が引き締まる思いです。」

 

次にパートナー企業のみなさんからも、これまでを振り返った感想や発表会に向けたアドバイスをいただきました。

▲左から株式会社米五の多田健太郎さん、荒井株式会社の荒井章宏さん、株式会社タッセイ の田中陽介さん

 

XSCHOOLを通して県外の方に米五を知っていただいただけでなく、みなさんの熱い気持ちに触発され、荒井さんと一緒に『まゆみそ』をつくることにもなりました。XSCHOOLという場だったからこそ、新たな味噌の可能性にも挑戦できたと思っています。みなさんも最初のワクワクした気持ちを忘れず、発表会に臨んでください!」(多田健太郎さん/株式会社米五)

▲シルクと大豆を発酵させた「まゆみそ」は、XSCHOOLをきっかけに荒井株式会社と株式会社米五がコラボレーションしたもの。現在は試作中ですが、今後の展開が気になります。

 

「ワークショップを通してみなさんが頑張る姿を拝見し、私たち繊維業界も今までと同じままではいけないと強く感じるようになりました。講師や受講生のみなさん、パートナー企業のみなさんとのこの出会いを大切に、これからも挑戦していきたいと思います」(荒井章宏さん/荒井株式会社)

 

「あっという間の5回でした。遠方から福井に足繁く通ってくださっている姿から、それぞれの熱い想いを感じました。発表会では、自信を持ってありったけの情熱をぶつけてください。みなさんが楽しそうにプレゼンテーションすることで、会場の方たちにもきっと伝わるはずです」(田中陽介さん/株式会社タッセイ )

 

昨年XSCHOOL一期生として参加したメンバーは、あたたかく、そして力強い言葉で二期生の背中を押していました。

「発表会を控え、みなさん“これが本当にベストなのか?”“ほかに正解はないのか?”と不安を抱えていると思います。でも発表会でお披露目すると、これまで悩んでいたことが吹き飛び、これが正解だ! と思えてきて、プランも固まってくるんですね。

今みなさんが感じている不安は、いろいろな意味でプロジェクトが“やわらかい”状態にあるからだと思います。でも、それは今しか味わえないもの。だからこそ、発表会までの2週間で、どこまで質を高めることができるかが大切です。頑張ってください!」(室谷かおり/XSCHOOL一期生)

 

「発表会はゴールではなく、実はスタート。ここからやっと世の中に向けて動き出すことができます。今は助走しているような気持ちで突き進んでいってくださいね」(堀井慎太郎さん/XSCHOOL一期生)

 

「去年の今頃、焦っていた自分を思い出しました。チーム内でぶつかったこともありましたが、お互いをさらけ出せたことで、プロジェクトに対しても前向きに取り組めたと思います」(森敏郎さん/XSCHOOL一期生)

 

「去年のこの時期、僕たちのチームもとにかく周りの友人を頼った記憶があります。ただ頼むのではなく、自分たちの想いやワクワクをきちんと伝えると、きっと仲間が増えるはず。あとは発表のときに時間オーバーをしないことが大切ですよ(笑)」(黒川照太さん/XSCHOOL一期生)

 

最後はここまで受講生とともに伴走を続けてきた講師の三人からもエールをいただきました。

XSCHOOLは自分ごとのプロジェクトをつくるためのプログラム。今回みなさんが参加した動機の根底には、普段の仕事の進め方とは違う方法に挑戦したい、自分の生き方を見つめ直したいという想いがあったのではないかと思います。回を重ねるごとにコミュニケーションの難しさや世の中にないものを生み出す苦しさを感じているかもしれませんが、きっといつか、このXSCHOOLがみなさんにとって良い時間だったと感じる時が来るはずです」(高橋孝治さん/講師)

 

XSCHOOLを通して僕自身もみなさんから影響を受けています。講師は受講生のみなさんを突き動かすよう燃料をくべる役割。求められるレベルは高いかもしれませんが、このレベルで思考しながらゼロからプロジェクトを立ち上げるのはすごい経験だと思います。XSCHOOLというこの環境を最大限に生かして、発表会までの残りの時間を楽しんでほしいと思います」(萩原俊矢さん/講師)

 

ここ10数年、芸術大学でも教えているのですが、年々物事に対して過剰に敏感で繊細な学生が増えている印象があります。だけど卒業して、社会に出た途端、さまざまなことに対して鈍感になってしまうんですね。複雑な世の中を生き抜く術として鈍感であることも時には必要かもしれません。だけど、同時に鋭く本質を見抜く力、また粘り強く探求する力も大切だと僕は考えています。今回、みなさんはXSCHOOLを通して、物事の本質と向き合い、さまざまなことを受け止める強さを少しずつ身につけていると思います。この4ヶ月間で得たことを胸に、発表会に挑んでください」(原田祐馬さん/講師)

 

 

4ヶ月前にはじめて出会ったメンバーがチームを組み、場所や時間、コミュニケーションの壁を乗り越えながらここまでプロジェクトをつくりあげてきました。発表会では受講生21名がそれぞれの想いをプレゼンテーションにぶつけます。どうぞ、会場のハピリンホールで7チームの勇姿をご覧ください!

 

text:石原藍  photo:片岡杏子、髙橋要)

 

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XSCHOOL発表会/福井 -福井からはじまる、小さなデザインの教室より-』開催概要


⽇時:2018年2⽉3⽇(土) 13:30〜18:00(予定)

会場:ハピリンホール
(福井県福井市中央1丁目2-1(JR福井駅西口[ハピリン]内))
http://nigiwai.ftmo.co.jp/

参加費:無料(*⼊退場⾃由)

登壇者:XSCHOOL 受講⽣21名
XSCHOOL 講師 原⽥祐⾺、⾼橋孝治、萩原俊⽮

ゲスト:中邑賢龍(東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野教授)、山出淳也(NPO法人BEPPU PROJECT代表理事)

 

司会:XSCHOOLプログラムディレクター 内田友紀、多田智美

イベント詳細:https://www.facebook.com/events/176094376315544/

お申込み: https://goo.gl/forms/z24gkIsFG0b9i7r22

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