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1期生の背中を追いかけて 〜第二回ワークショップ〜

これから4ヶ月間をともにする3人一組のチームが決まり、本格的に動き出した受講生たち。次のワークショップに向けて各チームのリサーチが始まりました。空いている時間を見つけてメッセージを送り合うチームや、直接集まって交流を深めるチームなど、コミュニケーションの方法はさまざまです。

しかし、各チームが手探りで臨んだ第二回ワークショップでは、講師たちから厳しい指摘が相次ぎました。3人がこれまで何を経験してきたのか、そもそもXSCHOOLになぜ参加したのか。根本的な部分に立ち戻り、より深くより広い視野を持ってコミュニケーションをすることの大切さを考え直す機会となったようです。

ワークショップ1日目の夜には、昨年度XSCHOOLに参加した1期生による経過報告会が開催。先輩たちの姿に、受講生たちは何を感じたのでしょうか。
今回は2017年10月28日〜29日の2日間にわたって行われた第二回ワークショップの様子をお届けします。

本当にフルスイングできている?

前回のワークショップで与えられた課題は「可能性を感じる5つのキーワード」と「キーワードに対する10個のアイデア」。はじめに1チームずつ、リサーチした内容やアイデアを発表しました。

衣・食・住にわけてそれぞれの気になるものを掘り下げたチームや歴史や文化を調べたチーム、各パートナー企業の「職人」に注目したチームなど、リサーチの方法はさまざま。壁一面に張り出された資料を見ると、時間をかけて課題に取り組んできた様子がわかります。

ところが講師たちからは鋭いコメントが。

「3人がこれをやる意味は?」「すでにあるアイデアを超えられていないのでは?」「自分たちのこだわりが本当にそのアイデアのなかに盛り込まれている?」

メンバー同士が「いいね」と共感し合っているだけではアイデアは深まりません。心から情熱を注ぐことができるアイデアを生み出すためには、もっと自分をさらけ出したコミュニケーションが大切だと、講師たちの言葉にも力が入ります。

1期生が語る、XSCHOOLで得たものとは

講師たちの鋭い指摘に頭を悩ます受講生たち。そんな彼らのもとにゲストがやってきました!

XSCHOOL1期生の加藤洋さんです。

加藤さんたちがかたちにしたのは、毎日を探検に変える日めくりカレンダー「こよみッション」。福井で実践している”探求型の教育“と昨年度のパートナー企業「にしばた」が創業時から大切にしている「暦」に着目したアイデアでした。

2017年春にはクラウドファンディングで目標資金を集め、見事アイデアを商品化。しかし、そこに至るまでには数々の紆余曲折があったそうです。


なかなかアイデアが出なくて苦しんだこと、何日も徹夜したこと、家族や仲間が助けてくれたこと、自分自身の殻を破れたこと……。XSCHOOLを通して得たことや、もっとこうしておけばよかったという反省点まで、加藤さんが感じたことをありのまま話していただきました。

XSCHOOLは「事業をつくるプログラム」だけにとどまりません。その背景にあるのは「自分自身と向き合うこと」なのだと、加藤さんの話を聞いた受講生は感じたはずです。

満員御礼の1期生経過報告会

初日の夜は加藤さんだけでなく、XSCHOOL1期生による経過報告会が行われました。


会場となったニシワキビル3F「桃源郷」は満員! 発表会を見にきてくださった方や今回はじめてXSCHOOLのことを知った方など、たくさんの方にお越しいただきました。

▲黒川照太さんたちのチーム「FOODIST INFORMATION」が開発した食品成分が英訳表示されているインバウンド向け駅弁は、2017年12月1日からJR福井駅と金沢駅で販売開始!

▲木村慎弥さんと青木優莉さんたちが提案した「あさひるばんじょう」は新たな出店スペースを求めて模索中

▲篠崎健治さんたちのイベント「おふくわけ」も毎回盛況で継続しています

3月の発表会で披露してから半年。すでにアイデアがかたちになったチームやパートナー企業と現在も試行錯誤しているチーム、かたちを変えて新しい方向に進んだチームなど、1期生のメンバーはそれぞれの道を進んでいました。しかしどのメンバーもXSCHOOLをやりきったという自信に満ち溢れ、とても清々しい表情で発表している姿が印象的でした。

「XSCHOOLが終わった後も社会と向き合い、マイプロジェクトとして取り組んでいるのは素晴らしいと思いました。XSCHOOLは起業や独立がゴールではありません。常に自分の立場でできることを意識してほしい。自分がどう仕事と向き合っているか、ほかの人はきっと見てくれているはずです」(講師・高橋孝治さん)


「テクノロジーが進化し、今は何事もチャレンジしやすい世の中になりました。チャレンジしたいけどできない、そう思っている人にとってXSCHOOLは壁を突破する良い機会ではないでしょうか。一方で始めやすいからこそ続ける難しさ、大変さも感じます。これからもこの終わりのないXSCHOOLを駆け抜けてほしいですね」(講師・萩原俊矢さん)


「1期生はXSCHOOLを通して何歳になっても挑戦できる精神を持ったのではないでしょうか。建築家のルイス・カーンは『都市とは、その通りを歩いている一人の少年がいつの日かなりたいと思うものを感じ取れる場所でなければならない』という言葉を残しているのですが、XSCHOOLの受講生たちは、まさに“いつの日かなりたいと思うもの”を生み出す可能性をつくっていると思います」(講師・原田祐馬さん)

 

終わったあとも1期生と2期生たちは話が尽きない様子。イキイキと前に向かって進んでいる先輩たちの姿に、大きな刺激を受けたようです。


自分自身と向き合う覚悟

2日目。昨日の重苦しい雰囲気とは打って変わり、朝から受講生たちは積極的にディスカッションをしていました。



「なぜXSCHOOLに参加したのか」「自分たちがこのXSCHOOLを通してアイデアを実現させる意味は何なのか」各チームがもう一度原点に立ち戻り、課題や問題意識をぶつけながらコミュニケーションを取り始めたようです。

今が苦しいとき! まだまだ暗中模索を続けているチームもありますが、普段の仕事ではできないような方法を試行錯誤し、たとえ空振りをしてもフルスイングを続けることが、新しいプロジェクトを生み出すことに必ずつながっていくはずです。次回のワークショップも目が離せません!

(text:石原藍  photo:片岡杏子)


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