小学校区ごとに設けられた公民館は、地域交流と生涯学習の拠点として福井のまちで大きな役割を担っているのをご存知ですか?今回は、公民館主事としてさまざまな年代を対象にした企画を打ち出す塩﨑さんに、仕事のやりがいや福井への思いなどを伺いました。
今の仕事とこれまでの経歴を教えてください。
アオッサの中にある中央公民館の主事をしています。中央公民館は地域住民向けに12の講座を開催していますが、私はそのうち3つの講座を担当しています。定年前後の方々を対象にして地域に貢献する人材の育成を目指すものや、青年層の方々の仲間づくりをねらいにするものなど、講座の内容はさまざまです。主事になる前には自治体職員向けの研修施設に7年ほど勤めていました。研修の企画や施設の運営など、今の仕事と似ている部分も多かったですね。
今の仕事をするようになったきっかけはなんですか?
前職時代に、日々地方行政の課題を聞いている中で、自分なりに福井がこれからどうなっていくのか危機感が募ってきました。地方の課題ってどれも少子高齢化と結びついていますが、高齢化はともかく、少子化は社会へのなんらかの働きかけで改善できるんじゃないかって思ったんです。それで、自分自身が直接的にまちづくりやひとづくりに関わりたいと思い始めて、転職するなら最後のチャンスかなと思っていたところに公民館主事の選考試験の時期が重なった形ですね。
仕事の楽しい部分、大変な部分を教えてください。
仕事に新しいものを取り入れるためには自分自身も常にアンテナを張っておく必要があると思うんですけど、そのおかげで生活の中にとても充実感があります。研修会に参加したり人と会ったりする中で、福井にはものすごい人材が埋まってたんだという発見があって、それぞれの地域のよさも感じられるようになりました。郷土愛も深まったと思います。 ただ、自分が企画した講座の成果ってすぐには現れないし目には見えないので、「これでよかったのかな」っていう不安は常にありますね。目的にあった満足度があったかどうかは気にしています。
塩崎さんが企画した講座「ふくい謎解きスクール」の様子
福井で働くよさはなんだと思いますか?
「福井は共働き世帯が多い」とよく言われると思うんですけど、自分の周囲にも苦労をしながら仕事と子育ての両立を経験している方が多いんですよね。だから、自分が子育てしているときには、さりげなくいろんな人が気にかけてくれることが多かったんです。それがすごく安心できたというか、そうやって思ってくれる人がいる中で仕事を続けてこれたことが本当にありがたかったなぁと。それは福井のよさのひとつじゃないかなと思います。
これからの目標を教えてください。
中央公民館はアオッサの中に移転して10年経つんですけど、意外とこれが知られていないんですよ(笑)。知名度をもっと高めて、より市民に身近な公民館にしていきたいと思います。 それから、情報収集と発信というところも中央公民館の活動の柱ではあるので、一般の方にもそれぞれの地域のよさを伝えられるようなことができればと思います。講座や情報発信を通して「福井はいいところだよ」って言ってくれる人を増やすのが公民館としてのひとつの目標ですね。 私自身は、5年後にはあの先輩、10年後にはあの先輩といった目指すべきロールモデルとなる方が職場にたくさんいらっしゃるので、そういった先輩方を目標としながら、この仕事に出来るだけ長く携わっていきたいと思います。
(text:髙橋要 photo:出地瑠以)