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XSTUDIO 2018 note

XSTUDIO でプロジェクト創出に取り組むメンバー、リーダー、パートナー企業がそれぞれの視点から活動を記録し、思いを綴る実験ノート。
STUDIO A
[メンバー] 瓦井 良典 2018.11.11

はじまりの日

行ったこともないのに、いつかそこに辿り着くような気がする、そんな場所がある。

3回目となるXSTUDIO in福井、初日冒頭の全体共有でスタジオリーダーのプレゼンを聴いている時、僕たちはその場所にいた。 思えばこのチームは、9月にスタートした時点から、ずっと全力疾走の日々。たった4ヶ月で成果を出さなければという気負いと責任感からか、スタジオリーダーを筆頭として、もの凄い速度でプロジェクトが走って行く。STUDIO Aの参加メンバーがそれぞれの専門性を持ち寄り、惜しみなく発揮することで、具体化のスピードはより加速していった。 これ以上望むべくもないような、理想的な進捗状況。だがそんな中でも、メンバーひとりひとりを注視すると、それぞれが各々の「やりたいこと」と「やるべきこと」の狭間で揺れ動いているような気がしてならなかった。

そして、折り返し地点。

前回、「モヤモヤはモヤモヤのままで維持しておくこと。勝手に無理に答えを出さないように」というリーダーの言葉に感銘を受け、自分はこの第3回目に臨むに際し、最後の悪あがきのつもりで、あえて軌道から外れたような制作を試みた。スケジュール的にも、これがラストチャンス。リーダーやメンバーと対話を重ねる。

これまで「布地を介したコミュニケーションのフォーマットを作る」という、前列なき野心的な目標を掲げ邁進してきたチームは、初めてパートナー企業さんの倉庫で膨大な種類の布地に囲まれ興奮のあまり無邪気にはしゃいだあの日の、あの歓びと感動の瞬間に、再び立ち返ることにした。

みんなで共有したあの体験、あの原風景が、ヴァージンオイルの一滴のごとく、チーム全体を潤す。その原点回帰によって、ようやくメンバー全員の想いがひとつに重なった気がする。そこに気付いたスタジオリーダーの慧眼と、躊躇なくドラスティックな変化に舵をきった決断力に、最大限の敬意を表したい。

大筋はブレずに、プロジェクトコンセプトの基軸が明解になったことで、全員の目が輝き出した。みんなが、本当に自分がやりたい事を、このプロジェクトの中に見出している。

 

 

 

 

 

photo by Yoshinori Kawarai                   photo by Kyoko Kataoka


STUDIO A
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