生活藝人としての活動の１つで台湾と日本を繋ぐ仕事をしています。台湾の友人から「日本のローカルが面白い」という話を聞き、「微住®」という考えに着想しました。「微住®」とは福井市東郷地区を中心に1～2週間程度暮らしながら、ゆるさとを探す旅を体験する取り組み。旅と移住の間という意味があります。どの県もうちに来てとPRしますが、「関係性」がないと、いくらよいものを磨き上げても人は動きません。観光スポットのような地域のキラキラした部分だけではなく、日常の生活に埋もれているありのままの姿、そんな「隙」を見つけた時にこそ地域のことが好きになり関係性が生まれると思います。実際に微住した方は、住み始めて１週間くらいたつと「1度来ただけでは見えない、地域のいろんな隙が見えてくるので面白い」と言っていました。１回だけの旅行で終わってしまう完了型の旅行より、人同士の縁を感じられる完了しない関係性を大切にしたいですね。外から福井に関わり、この地域に隠れているたくさんの隙を見つけながら、ゆるさととして福井での暮らしを体験してもらえると嬉しいです。土地の味と書いて地味と読みますし、土地の味わいを感じられる地味な福井を私自身も大事にしたいですね。

※ゆるさと … 関係性で育まれた第二の故郷のような地域を表す田中さんの造語