職住近接という言葉をご存じでしょうか。職場と生活拠点の近さを活かした生活が送れるという意味です。福井城址のお堀に佇むアネックスホテルは、三世代、家族８人が生活しながら営業している「職住近接」のホテルです。オーナーの新海康介さんは県外の大学を卒業後、県外で就職。多忙な毎日を過ごす折、実家のホテル存続について父から相談され、引き継ぐ事を決意しました。当時は再開発により、大手ビジネスホテルが福井に進出し、個人経営ホテルの廃業が相次いでいた時期。しかし、この時新海さんは、「職場にも生活にもフルコミットしたい」という思いのもと、客室を改修し、家族全員が住む場所を造ることを提案。核心である「職住近接」を実現したホテルが完成しました。「大手ホテルのようなおもてなしはできないけど、生活しながら運営することで、家族や地域のコミュニティと宿泊客を混ぜ合わせるような心地よさをお客様が感じていただけたらと思います」という新海さん。実際に長年通う常連客も多いそう。都心部での職住遠隔に疲れた際はこちらのホテルに宿泊してみてください。下校した息子さんの挨拶、近所の方のお話が聞けるかもしれません。