「いつも、この人の本質に迫れるスイッチはどこだ？って探してるんだよね」そう話すのは、「クマさん」の愛称で親しまれているAgitのマスター、相上さんです。Agit入口の扉には「drink,eat and chat」とあり、人との会話が大好きという相上さんの人柄が伺えます。片町の一角に、妻の敦子さんと共に店を開いて四半世紀。カウンター越しのお客様と、話す・聞くのバランスがカチッと合った時に喜びを感じるそう。誰にも言えない悩みや身の上話を打ち明けたり、夢や目標を話し込んでしまったり……そんなAgitの雰囲気は、相上さんの、人との距離感に秘密があるのかもしれません。相上さんは自らを「街のネットワークの中にはいるが、誰とも完全に仲間にはならないスタンドアローンな存在」だと言います。自ら人に会いにいき、その人や活動に尊敬と興味を持って接するけれど、踏み込みすぎず、そばから見守ってくれる。地元の人から移住者・転勤族、20代から80代まで様々な職種の人がこの店に集うのは、このようなバランス感覚を持った相上さんに魅力を感じるからこそ。文字通り「福井のアジト」として、今夜も話に花が咲いています。