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XSCHOOL2019

アイデアを磨きプロジェクトを生み出す 【第3回ワークショップ】

XSCHOOL2019のワークショップも折り返し地点。前回までのワークショップで、メンバーたちはパートナー企業の現場を見学したり、アドバイザーのレクチャーを受けたりと、アイデアの生み出し方や発想のヒントを学んできました。個人の思いやアイデアをどうすればグループですり合わせながら形にすることができるのか。葛藤する時間が続きますが、それでも6つのチームは自分たちだけのプロジェクト創出に向けて、確かな一歩を踏み出しています。今回は第3回ワークショップの模様をお届けします。

かたちを生み出すためには 

2019年121415日に行われた第3回ワークショップは、20162017年度のXSCHOOL講師も務めたプロダクトデザイナーの高橋孝治さんのレクチャーからスタート。高橋さんは、無印良品のインハウスデザイナーとして生活雑貨の企画デザイン、防災プロジェクトのディレクションなどを担当されたのち、2015年に愛知県常滑市に移住。常滑市陶業陶芸振興事業推進コーディネーターとして、行政や企業と協働し作り手と使い手を繋ぐ活動や人材育成事業などを進めています。

 

今回の講義のテーマは「かたちを生む」。高橋さんは、無印良品で生み出した商品を例にあげ、「常に調査と観察を行い、企画段階ではアイデア出し・比較・試作を繰り返した上で、実行に移すことが重要」とメンバーにアドバイスしました。

最近では、焼き物にとどまらず「伝統の更新」に重きを置いた活動を行っている高橋さん。常滑市の社会福祉協議会から依頼を受け、福祉施設でアート活動を行なったり、不要となった子供服を用いたスタイや乳母車を移動できる棚として活用するプロダクトをつくったりなど、さまざまな取り組みを紹介していただきました。

▲自分たちのプロジェクトの参考にしようと熱心にメモを取る受講者たち

 

2期にわたるXSCHOOL講師で多くのチームが悩んで飛躍する様子をみてきた高橋さんは「日常のなかでインプットしている瞬間を大事にし、起こしたい未来の姿をいろんなネットワークを使いながら実現していってほしい。期待しています」と、これからアイデアをかたちにする段階へと進むチームにエールを送りました。

各チームがプロトタイプを発表

続いて、各チームのプレゼンテーションがスタート。前回から何を考え、どんなリサーチを進めてきたのかを順番に発表していきます。前回のワークショップからの課題は「プロトタイプ(試作品)を制作し、持参すること」。各チームがそれぞれのアイデアをかたちにしてきました。その一部をご紹介します。

 

福井市の日本海側、越廼地区の水仙畑をフィールドワークしてきたメンターチームは、越前水仙の香りを使ったバスボム(入浴剤)を製作。出荷されずに捨てられてしまう水仙の花を利用し、形状は季節感が感じられるよう和菓子の木型で表現しました。越前海岸の原風景をどのように次代に残していけるのかについて、プロジェクトのあり方を深めていくようです。

 

こちらのチームは、焼き鳥消費量日本一の福井県で、おそらく大量消費されているであろう「竹串」にスポットを当てました。リサーチでは竹の資源化について詳細に調べ上げ、竹パウダーなど土壌改良材などに変えていくプランを発表。そのために必要な竹串の回収では「竹串をいかに持ってきやすくするか」という点を試行錯誤したと言い、回収員の方に串が刺さらないように配慮する「思いやり袋」や、竹串をありがたく回収する賽銭箱のような「浄串型回収箱」などの試作案を披露しました。

 

「できるを増やす」をテーマにアイデアを練ったこのチームは、繊維産地で多く見られる紙管を題材にして、ブロックを製作。紙管や3Dプリンターで作ったパーツを組み合わせたロボットを披露しました。また、プログラミングができるレゴブロックを導入している代理店と協力して、紙管ロボコンを開催するアイデアも検討しているそう。

アイデア段階では好感触でも、かたちにするとイマイチだった……ということは少なくありません。プロトタイプをつくってみることで、問題点や改善点に気づいたメンバーも多くいました。同時に、チームで一つのことをつくる難しさも感じた様子です。

 

ディレクターやアドバイザーからは、「もっと土着に対する提案を考えてほしい」「誰に届けるのか? 届いてほしいのか?」などアイデアの実装を見すえるからこそのレビューも。

このプロジェクトはどんな価値を生み出せるのか? 未来の人たちにどうなって欲しいのか?

もう一度問いかけながら、試行錯誤を続けます。

チーム別面談がスタート

2日目からはチーム別面談も始まりました。6チームが初日の発表からアップデートした案をディレクター陣にプレゼンし、再度フィードバックを受けます。チームごとに集中討議をする面談は、自分たちが進むべき道や足りないことが、はっきり見えてくる重要な時間。何に迷っているのか、何を考え、どんなことにモヤモヤしているのか、昨日からの進捗を確認していきます。

 

ディレクターらは、あえて厳しい言葉でレビューを返していきますが、的確なアドバイスばかり。迷いや葛藤で苦しむメンバーにとっては、新しい視点や気づきが得られ、学ぶべきことが多い時間となっています。

ここで得た助言は、自分たちのプロジェクトを見つめ直すきっかけに。もう一度振り出しに戻ってみたり、アイデアのブラッシュアップを進めたりと各チームとも進むべき方向を模索していきます。

▲プロジェクトへの覚悟を問われたメンターチーム

 

アイデアを事業化する難しさ

3回ワークショップでは、ほとんどのチームが壁にぶつかりました。

いったん足を止め、もう一度アイデアを練り直すため、再度リサーチに立ち戻るチームも出ています。

 

各チームにとって、重要なターニングポイントとなった今回のワークショップ。
「自分たちでブレーキをかけないように、リサーチと観察は24時間営業のつもりで行ってほしい。最後の最後まで模索し続けてください。がんばりましょう!」と、ディレクターの坂田さんの力強い言葉で、2日間のワークショップを終えました。

 

次回はいよいよワークショップ最終回。各チームとも苦しみぬいた末に生み出したプロジェクトがついに出そろいます!

 

text:Syota Ban(fuプロダクション) photo:Kyoko Kataoka


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