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あのプロジェクトは今……!? 1期生・2期生が歩み続ける道のりを紹介! 〜XSCHOOL/XSTUDIOオープントーク〜

XSTUDIO第2回ワークショップ1日目の夜には、XSCHOOL1期・2期の受講生、そしてXSTUDIOメンバーによるオープントークイベントが行われました。XSCHOOLから生まれたプロジェクトは発表会後、どうなっているのか? そして今年のXSTUDIOでは、何が行われているのか? 各プロジェクトのメンバーたちがそれぞれの今について語りました。

2018年10月27日、会場の加藤ビルには70名以上の方が集いました。地域Xデザインの取り組みに興味がある人、福井の新しい動きに興味がある人、なかでもこれまでのXSCHOOL受講生たちの動きが気になるという方が多くみられました。

1期生と2期生、2期パートナー企業の複合チームが誕生した「福井 絵巻味噌」の軌跡

最初のセッションは「福井 絵巻味噌ができるまで」と題して、グラフィックデザイナーの室谷かおりさんとプロダクトデザイナーの森俊朗さんに登場いただきました。2016年秋に開校したXSCHOOL1期生の2人は同じチームに所属し、2017年春には「絵巻弁当」というプロトタイプを発表。その後も活動を続け、2018年9月22日に「福井 絵巻味噌」としてついに商品化を実現しました。

「福井 絵巻味噌」とは、地元名産の味噌を絵巻物のパッケージで包んだ商品。絵巻をくるくると開いていくと、味噌が登場する福井の民話「化けもの大蛇と四郎太夫」がグラフィックとともに現れ、味噌と民話の両方を味わえます。絵巻の裏側には、民話が生まれた時代の食生活の考察やレシピなども掲載され、ギフトとしても楽しめる商品になっています。

▲XSCHOOL1期で2017年春に発表したプロトタイプ「絵巻弁当」

 

1期発表会後も実現に向け試行錯誤を続けていた室谷さんたちでしたが、2017年開講のXSCHOOL2期のパートナー企業である株式会社米五と出会ったことから、”絵巻”を味噌で実現する可能性が一気に高まっていきました。

▲室谷さん(左)と森さん(右)

 

さらにXSCHOOL2期生・今飯田佳代子さんチームのプロジェクト「ものらく座」のロゴデザインを室谷さんが手伝ったことをきっかけに、今飯田さんも絵巻味噌チームのメンバーに加入。1期生メンバー2人、2期生メンバー1人、2期パートナー企業による複合チームが誕生したのです。

▲新しくメンバーに加わった2期生の今飯田さん(中央)

 

商品化に向けて少しずつ歩みを進めていきましたが、コスト面では最後まで苦戦しました。お土産品に適した800円以下にするために、パッケージをできるだけ簡易なものにし、かつ民話の世界観を崩さぬよう、ギリギリまで工夫を重ねたそうです。

こうして、商品化が実現した「福井 絵巻味噌」。この経験を通して室谷さんたちは何を感じたのでしょうか。

――室谷さん
「これまで頭のなかでイメージしていたお客さんが、発売したことで、実際に目の前に現れた喜びを感じています。2018年10月、鯖江市のものづくりイベント『RENEW』では対面販売もさせていただきましたが、お客さんに直接コンセプトを伝えられたのも嬉しかったです」

――森さん
「値段のつけ方で、販路やブランディングがこんなに変わるとは思いませんでした。今後の展望としては、本屋など違った業態の店舗で販売したり、民話の場所を訪れるツアーを企画したりなど、いろんな挑戦を進めていきたいですね」

室谷さん、森さんのトークの後は、米五の常務取締役・多田健太郎さんが登場し、XSCHOOLと「福井 絵巻味噌」発売までの道のりを振り返っていただきました。

▲XSCHOOL2期パートナー企業、米五の多田さん

 

「XSCHOOL2期のパートナー企業として参加させていただきましたが、最初は何をやるのかよくわからず、自社の新商品でもつくってくれるのかな、と思っていました(笑)。しかし、参加するなかで受講生の熱意の高さに驚き、0から1を生み出す大変さや面白さを感じるとともに、福井の魅力や可能性を再発見することができました」

創業188年の歴史を持ち、県内における味噌出荷量はNo.1という米五。その実績に甘んじることなく、常に味噌の可能性を考え続けてきたからこそ、XSCHOOLでの120日間は刺激的だったと多田さんは語ります。

しかし、2期のパートナー企業である米五が1期生のプロジェクトにも加わった理由は何だったのでしょうか。

「何よりも室谷さんの熱意ですね。民話がベースで味噌がくっついている、そんな商品のコンセプトも面白く、これまでの自社にはない発想でした。福井の外の視点から見て考えられたアイデアだったからこそ、このような商品が生まれたのではないかと思います」

XSCHOOLの期間中の2017-18年には、同じく2期のパートナー企業である絹織物の産元商社・荒井株式会社と、味噌にシルクパウダーをまぜて発酵させた「まゆみそ」を生み出した多田さん。「パートナー企業同士の動きにも注目している」と、XSTUDIOへの期待も語っていただきました。

ほかのプロジェクトも進行中!

次のセッションでは、XSCHOOL1期・2期で誕生した3つのプロジェクトの成長や広がりについて紹介されました。

2期生の土田佳奈さんたちが発表した「めおとみそ」は、夫婦やカップルをターゲットに、さまざまな種類の味噌をブレンドして食べ比べながら、二人の好みの味を見つけるキット。

▲2018年の発表会での「めおとみそ」の展示

 

XSCHOOLの発表会後は、パートナー企業である米五の新店舗「みそ楽」で定期的にイベントを開催するなど、胃袋のすり合わせを通して自分たちだけの味噌をつくる人たちを増やしつつあります。

「これまでものづくりをした経験はありませんでしたが、XSCHOOLを通して物事を見る視点を徹底的に養うことができました。この1年でいろんな人とつながることができたのも驚きでしたし、こんなに味噌にハマるとは思いませんでしたね」と土田さん。

▲土田さんは「めおとみそ」をきっかけに味噌ソムリエの資格も取得

 

続いては1期生の吉鶴かの子さんたちが発表。彼らのプロジェクト「おふくわけ」は、福井市内の元スナックだった場所で定期的に開催する、定員10名のトークイベント。スナックのカウンターという濃密な空間によって、参加者同士のつながりができるのも大きな特徴です。

▲デザインはグラフィックデザイナーの吉鶴さんが担当。インタビューやレポートを掲載したWEBメディアやDMなどもつくっています

 

おふくわけはすでに8回開催していますが、毎回満員御礼という盛況ぶり。2018年2月には福井を飛び出し、富山でも開催されました。

▲記念すべき初回の「おふくわけ」。2019年2月23日には金沢でも開催予定


「XSCHOOLのことを知ったのは、会社員としての働き方にモヤモヤしていた時。講師の原田祐馬さんからデザインを学びたいというのも参加の動機でした。おふくわけを通して今までやったことのないデザインにも挑戦させていただく機会が増えました」

▲「まだまだ新しい人と出会いたいので、おふくわけのマスターをやってみたい方も募集中です」と吉鶴さん

 

2期生の山下敬大さん、瓦井良典さんたちが発表したのは、「ふれてみっけ」というプロジェクト。さまざまなシルク素材を貼り付けた500円玉サイズのコインをポケットに入れ、視覚に頼らずシルクの質感を感じて当てっこするゲームです。

▲発表会での展示ブースでは実際に遊ぶ来場者の姿も見られました

 

「医療分野や子ども向けにも活かせそう」という発表会でのフィードバックから、リサーチを続けている2人。医療分野のなかでも予防医療へのシフトや、コイン型に加え、トランプやおはじきのような形状も検討しており、商品化に向けて協力してくれるメーカーを模索しています。

▲さまざまな分野で可能性が広がる「ふれてみっけ」

 

「東京で毎朝満員電車のなか通勤していると、東京から人口をひっぺがしたいという思いがあります。地方で働く可能性につながるのであれば、『ふれてみっけ』の事業化も視野にいれたいですね」と山下さん。

瓦井さんはXSCHOOL2期に続き、今年のXSTUDIOにも参加しており、ホームやアウェーの感覚にとらわれず、「福井を新たな故郷にしたい」と意気込み、奮闘しています。

▲山下さん(左)と瓦井さん(右)

 

1期生・2期生それぞれのプロジェクトがゆるやかに進んでいるXSCHOOL。今後の動きにもぜひご注目ください。

XSTUDIOも盛り上がっています!

XSCHOOL受講生の現在を紹介するセッションの後は、現在進行中のXSTUDIOの様子を各スタジオのローカルリーダーから紹介していただきました。

ーーSTUDIO A ローカルリーダー 新山直広さん
「福井の繊維業界はBtoBの商品が多く、一般の人に知られていない現状があります。産元商社であるパートナー企業・明林繊維が扱う魅力的な生地を、ファッション以外のさまざまな業種の方々にも知ってもらい、今までにない用途が生まれるコミュニケーションの形を作りたい。STUDIO Aでは生地のサンプルや論文を読み解きながら、布をめぐる表現の見える化を進めています」


ーーSTUDIO B ローカルリーダー 森一貴さん
「STUDIO Bではパートナー企業、ジャパンポリマーク社の熱転写技術をもとに、メンバーのやりたいことや気になる技術など、双方向から深掘りしています」

ーーSTUDIO C ローカルリーダー 坂田守史さん
「XSTUDIO Cでは感性的な部分を大事にし、手を動かすことでパートナー企業・荒川レース工業のレースと向き合い、『よさ』の本質とその可能性を考えています」

 

東京・福井の発表会が間近に迫り、各スタジオがラストスパートをかけているXSTUDIO。次回は最終ワークショップの様子をお届けします。


text:石原藍 photo:片岡杏子、おいしい絵巻編集部、めおとみそ


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XSTUDIOプレゼンテーション / 東京 福井の“繊維”と3つのスタジオからはじまる実践

⽇時:2019年1⽉27⽇(⽇)13:00〜18:30(12:30開場)
会場:東京ミッドタウン日比谷 6F「BASE Q」 東京都千代田区有楽町1丁目1−2
https://www.baseq.jp/

参加費:一般1500円、学生500円
  *風土を味わうレセプションパーティつき
***お申し込み・チケットのご購入はこちらから***
https://xstudio2018tokyopresentation.peatix.com/

登壇者:30人のXSTUDIOメンバー
ゲスト:
伊藤亜紗(東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院准教授)
白水高広(株式会社うなぎの寝床 代表取締役)
ドミニク・チェン(早稲田大学准教授)


<発表会内容>*時間は変更の可能性があります*
■オープニング(13:00〜)
XSCHOOL/XSTUDIO のご紹介
パートナー企業・ゲスト紹介

■3スタジオによるダイジェストプレゼンテーション

■会場3箇所にわかれてパラレル・セッション(14:45〜)
*スタジオABC同時に、プレゼンテーションやトークを開催します。お好きなスタジオにご参加ください。

■総評&クロストーク
[登壇者]
伊藤亜紗 / 白水高広 / ドミニク・チェン ほか

■レセプションパーティ(17:30〜)
福井の美味しい地酒あり!展示もゆっくりとご覧ください。商談も歓迎です!
*展示は開会から懇親会まで、いつでもご覧いただけます。


<福井での最終発表会はこちら!>
XSTUDIOプレゼンテーション / 福井 福井の“繊維”と3つのスタジオからはじまる実践

⽇時:2019年2⽉9⽇(土) 12:30〜18:30(予定)
イベントページ:https://www.facebook.com/events/525011151336362/

会場:日華化学 NICCAイノベーションセンター
(〒910-8670 福井県福井市文京4-23-1)
https://nic.niccachemical.com/

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