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夏の日本海トライアルステイ

夏の日本海トライアルステイ第一弾!福井の農家さんをめぐる3日間<前編>

夏の日本海トライアルステイは、自然豊かな福井の暮らしを体感するお試し居住企画。沿岸部の越廼地区を拠点に日本海を望みながら、福井で暮らす・働くを体験し、まだ眠っている福井の魅力と可能性を発見していきます。

今回、第一弾として滞在したのは、コズ株式会社の山川みずきさん。9月16 - 18日の3日間、農家さんを中心に、福井中を駆け巡りました。その様子を山川さんご自身によるレポートにて、ぜひご覧ください!

 

こんにちは。神奈川県在住、24歳の山川みずきです。

今回、9171819日の23日で「夏の日本海トライアルステイ」を体験してきました!

18日の夜には、台風が直撃しましたので、このような空模様です。曇り空も似合う日本海、トライアルステイ先の窓からの景色もしびれます。

 

トライアルステイ先のリノベ古民家のスペックは、今年2月にトライアルステイを実施した「しゃかいか!」編集部が素敵な写真とともに丁寧に紹介されていますので、ぜひこちらの記事を御覧ください。

https://www.shakaika.jp/blog/22632/trialstay01_fukui/

1人で滞在するにはとても広く贅沢なおうちでしたが、温泉が引けるお風呂なんかもついていて、のびのびと2泊3日を暮らすことが出来ました!ちなみに先ほどの写真は、目覚めてすぐに窓から見えた風景。素晴らしい目覚め…。

居間はこのような感じ。畳の上でごろごろするだけで幸福感に包まれました。夜はオレンジ色の豆電球の照明で、なんとなくハナレグミの『家族の風景』を流したくなります。

 

リモートワークが滞在のテーマなので、まずは私の普段のお仕事のご紹介をします。

20163月に明治大学を卒業後、コズ株式会社というブランディングを軸においたデザイン会社に所属。現在は一般社団法人The CAMPus20171130日にオープンするインターネット上の農学校「The CAMPus」(http://thecampus.jp)のディレクターを勤めています。社会人2年目です。

仕事の合間を縫って、神奈川県川崎市の地元“元住吉”の個人経営店の店主を取材するフリーマガジン「もとすみマニアックず。」を編集・ライティングしていたりと、地域にまつわる情報発信やクリエイティブに関与しがちなので、今回のトライアルステイもかなり興味津々でした。初めての福井県訪問に胸が踊ります。

普段の仕事は、THE都心・南青山のオフィスでパソコンを使って作業をする一方で、日本中のおもしろい農家さんを探すべく全国各地に出向き、取材をして回ったりもしています。農作業を手伝ったり、その他ペンキ塗りなど作業内容は多岐に渡ります(笑)。この半年間で極度の虫嫌いも治り、葉っぱを見てどの農作物が栽培されているのかが分かるようになってきました。

 

今回、せっかくの機会なので、リモートワークとして「福井の農家さん巡り」をリクエストさせて頂きまして…

そんなリクエストに全力でお応えくださったのが、株式会社ヒャッカの前田さん。前田さん独自の情報網でゲットした農家さん情報をもとに、福井を縦横無尽に案内してくださること3日間…結論から言うと、本当にマニアックで土着的で、新しい旅の楽しみ方を覚えてしまった感覚…!そんな、観光地抜きのマニアックな福井滞在レポートを2記事に分けてお送りいたします!福井グルメ情報も挟んでいきます。

お会いしてきた農家さんのうち、今回ご紹介するのはこちらの2名。11記事でボリューミーにお送りします!

【1】 越前水仙農家 山本正男さん

【2】 越前金時農家 濱内慶次さん

みなさんに共通していたのは、「一見口数が少なそうだけど、質問を重ねれば重ねるほど個性が際立ってくる」ということ。何か聞き損ねていることがないか、今でも不安になるほど自己主張がマイルド!福井の方って謙虚な方が多いのでしょうか?インタビューにも力が入ります。

【1】水仙農家 山本正男さん

まず最初に伺ったのが、トライアルステイ先である越廼地区で「越前水仙」の栽培を行っている山本正男さん。越廼イメージアップ推進協議会の副会長でもあり、かなり詳細に越前水仙のことを教えて頂きました。

そもそも皆さん、水仙と聞いて思い浮かべる花は、こちらと合致していましたでしょうか?私はなぜか、最初に「水仙」と聞いた時に紫色の花(ヒヤシンス)を想起していました…。花にあまり触れ合ってこなかった20年余りが恥ずかしいです。

 

 

水仙は、冬に咲く花。「雪中花」とも呼ばれ、お正月のお花によく使われてきました。そして福井県の県花としても深い寵愛を受けています。その寵愛の受けっぷりは、“越前水仙の里公園”に行くと体感出来ます!1年中水仙の花を見ることが出来る冷房室の他、水仙をモチーフにした作品のコレクション展示には相当な気合を感じました。是非見に行ってみて下さい。

 

敷地内には、俵万智さんの詩が。

「海鳴りに 耳を澄ましているような 水仙の花 ひらくふるさと」

 

現在市場に出回っている水仙のほとんどが越前水仙だそうなのですが、国内の水仙の群生地としては、千葉県安房郡・静岡県下田市・兵庫県南あわじ市・長崎県長崎市などが挙げられます。どこも温暖な海岸沿いで、水仙の香りが強いのは潮風にさらされるからだという説もあるくらい、海と密接な関係のある花のようです。

福井県は日本海に面しているので寒い地域だというイメージが強かったのですが、ここ越廼地区は対馬暖流の影響で特別暖かいみたいで、水仙の畑を区切るのにみかんの木が植えられるくらい。かつてはみかん栽培の北限地だったようです。

 

ここも一面水仙が咲くなんて…。

水仙が咲いている様子は、こちらの「えちぜん観光ナビ」で見れました。
4Kのドローン撮影がされている…!!!!!

http://www.town-echizen.jp/spot/spot01Detail.php?262

 

 

山本さんは、城有という山奥の集落に住んでいるのですが、今回はその集落より少し下に位置する、水仙の球根を置いているビニールハウスに連れて行ってくれました。

 

山本さんは、「あんまり近づいて写真を取らんでええ」と謙虚な姿勢だったので、まずは日本海をバックにした遠目の写真を1枚。これから冬になると、左手や奥に見える斜面一面が水仙の花でびっしり埋まるわけです。

 

 

たまねぎみたいな球根!水仙のルーツは、この球根が海を渡って中国から越前に流れ着いたという話も興味深かったですね。不思議なことに、水仙の球根は塩分の高い海水に浸かっていてもダメにならないんだということも「越前水仙の里公園」内の展示で語られていました。

越前水仙のブランドを守りつつ国内での流通も安定させるため、なるべく長期間に渡って花を咲かせようと、球根の状態での温度設定などを試行錯誤しています。その研究所も「越前水仙の里公園」内にあるのだからスゴイ。

インタビューの初っ端、「年金と水仙の兼業農家です。」と真顔で言い放った山本さんですが、(ははっ!と笑ったら、気まずい空気になりました。)これからの越前水仙の未来には課題を感じている様子でした。


真冬の越前に、急な斜面一面に咲く水仙。機械が入り込めるフィールドではないため、高齢化の進んだ集落ではおじいちゃん、おばあちゃんが斜面に入り込み、1つずつ丁寧な収穫を行っているのが現状だということだったので、個々人の体力・人手不足も年を追うごとに少しずつ深刻化していくでしょう。

また、日本の農業シーン全体でも課題となっている「獣害」。ここ越前も例外なくその被害に頭を悩ませています。

山から降りてくるお腹をすかせた鹿・猪などがミミズなどの餌を探す時に、水仙を土を根こそぎ掘り返してしまうんだそう。取材中も、生々しい猪の足跡を発見しました。悲しい。猪の気持ちも分かるけど、やはり悲しい…。鹿や猪のテリトリーが広がり、かつては人間を恐れて避けていた場所にも下りてきているという状況は、集落の人口の変化も影響しているはずで、鹿や猪を退治すれば良いという問題ではなさそうです。

そんな課題を踏まえて、これからは若手が積極的に水仙栽培に携わっていくことが大事だと語る山本さん。

水仙農家のおすすめポイントを聞いてみると、「兼業にちょうど良いよ」という答えが返ってきました!

1年中つきっきりになる必要がなく、作業が集中するのが冬なので、暖かい時期には違う活動をしたいサーフィン好きの方にも良いかもしれませんね。福井県にはサーフスポットもありますからね!

気候が似ているという千葉県館山市に農園を構える、RYO’S FARMhttp://ryosfarm.com/)みたいなライフスタイルも良いですね。

越廼海岸には、“ロケーション勝ち”なカフェレストラン『cafe mare(http://cafemare.jp/)、ガラス作り体験も出来ちゃう『WATARIGLASSstudio』(http://watariglass.p1.bindsite.jp/)もあって、コミュニティースポットも近くにある環境。

トライアルステイ先、このまま住んでしまいたい…。

そして『cafe mare』の越前イカカレーがとっても美味しかったです!イカには「噛み切れない」ということにトラウマを感じていてあまり好き好んではいなかったのですが、新鮮なのか「キュルッ」と噛み切れて、肉厚でなんともいえない幸福感に包まれました。唐辛子の効いたカレールーも美味しかったです。



夏場は農作業から離れて越前水仙というブランドの広め方を考えたり、集落全体を盛り上げていったりというのも楽しそう‥という妄想が広がります。

冬には是非、一面の越前水仙畑を見に行きたいです!

私からは最後にもう一度、「越前水仙の里公園」に足を運ぶことを全力でおすすめさせて頂きます。

水仙ドームを出た時見えるこれが「すいせん」に見えので、けっこう水仙に詳しくなったはず。

では、次回は越前金時農家の濱内慶次さんのレポートです。

本職は『自動車整備』の濱内さん、兼業農家とは思えないバイタリティにびっくりでした‥お楽しみに。

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