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関係性のデザインが、これからの地域をはぐくむ

観光や旅行で訪れる、もしくはそこに暮らす。
これまで “人と地域の関わり方”の多くは、この2つでした。

だけど、観光で訪れるだけでは地域との距離が縮まらず、
「住む(移住する)」に至るには、なかなか勇気がいる。

こうした二者択一ではなく、
その間にある人と地域の「関わり方(関係性)」を豊かにしたいと、
私たちは考えてきました。


プロジェクトを通じて、地域のさまざまな表情との出会いに橋を渡し、
福井のまちや人と、新たに訪れる人たちがゆるやかに関係をつくってゆく。


その結果、頻繁に通う人が出てきたり、2拠点居住をする人が生まれたり…
さまざまなライフスタイルが現れ、互いの経験や知恵が混ざり合う。

それが次の地域をつくる源泉となり、暮らしの豊かさへと繋がってゆくはずです。

 

 

未来につなぐ ふくい魅える化プロジェクトでは、
こうした「内と外の関係」が生まれるきっかけを、
一つ一つのプログラムに込めました。

関東・関西の大学生と 福井の大学生が一堂に会した、メークファイト!!!
福井を代表する企業のアンバサダーと若手社会人たちが交流した、働き方研究所
これから旅立つ中高生たちが、地元の強烈な大人たちを取材した、取材の旅 。
冬の日本海トライアルステイでは、県外のユニークな社会人らが、
越廼地域に暮らす人々と出会いました。



120日に渡って開催されたXSCHOOLでは、
地域に根ざしたものづくり企業と、
広義のデザイナーを目指す受講生との関わり合いを重視しました。


受講生らが自分自身の挑戦の場として福井に通いつづけるなかで、
土地の文化を体感し、パートナー企業のものづくりの気風に惹かれ、
結果、それぞれの経験が生きた8つのプロジェクト・事業が動き出しています。


これらのプロジェクトは、内と外の人々が、「共に“つくり”」、
受発注のある利害関係ではなく、互いの強みを存分に活かせる
「共視の関係」になったからこそ、生まれ得たものばかりです。


彼らの当事者意識が、120日間のさまざまなドラマを起こし、結果
地元の企業とともにこれから事業をはじめるひとや、
移住する意思が固まったひともいれば、
プロジェクト中に出会った福井の仕事を手伝い始めるというひとや、
「親戚のように親しい人たちができた」「帰る場所ができた」
と話してくれたひともいます。


ここで生まれた関係性は、今後、事業を実現する力にも、
このまちに訪れる理由にもなるはずです。
そして何より、出会った人それぞれの人生を彩っていくはずです。

 

 

3月11日、200人に及ぶ会場いっぱいの人が見守るなか開催された、
XSCHOOL発表会/福井、最後のトークセッション。


ゲストの塩瀬隆之さん(京都大学 総合博物館准教授)は
オギュスタン・ベルクの書籍『風土の日本』になぞらえて、
XSCHOOL受講生を「風(=新たな息吹を運んでくる人)」、
パートナー企業をはじめとした福井の人々を「土(=地域に根づく人)」とたとえ、
「風と土の関係がきれいだ」と評しました。

この言葉は、私たちがプロジェクトで一貫して大切にしてきた、
内と外の関係性を少なからず育めた証ではないかと思います。

ここで出会った風と土が地形となるには、少し時間がかかります。
どのような景色が作られてゆくか、共に見守り、育んでゆけますと幸いです。


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