こんばんは。福井駅の近くで「クマゴローカフェ」という飲食店をやっている牛久保星子です。

私、今夜は一人で福井のまちをハシゴ酒しています。
一人で飲みに行くのもたまにはいいものですね。

次にやってきたのは旧長者町というエリア。先ほどお邪魔した1軒目のお店から数十メートルしか離れていませんが、この辺りは江戸時代から明治時代にかけての町人街で、「魚町」や「米町」など問屋の業種によってまちの名前がつけられていました。

「長者町」というのは名前のとおり、町の有力者やお金持ちの人たちが多い場所だったようですよ。

 

カウンターで日本酒と創作料理を楽しむ

２軒目はこちらのお店。
紺色に白いひょうたんの暖簾が目印、「十人十色」です。

こちらは2015年にできたお店。
「料理にも彩りや個性を大切にしたい」という思いから「十人十色」という店名がつけられたそうです。

 

「珍しいね、今日は一人？」
と現れたのは店長の吉田真（まこと）さん。

世界的にも有名なロンドンの創作レストラン「NOBU」で活躍していた経験を持つ凄腕シェフです。

本日2軒目だと告げると、フフっと笑いながらカウンター席に通してもらいました。

一人で飲むといっても、やっぱり誰かと話はしたいもの。
そんなときにカウンター席のある店はすごく落ち着きます。（安心してください。テーブル席もあります！）

オシャレだけど敷居が高すぎないので、一人飲みにもぴったり！
実際、私のような女性の一人客も多いそうなので、初めての方も気軽に入れると思います。

 

「十人十色」ではビール、ワイン、焼酎など一通りお酒は揃っていますが、なんといっても日本酒のラインナップが豊富。福井県内だけでなく全国から選りすぐりの地酒が常時35種類ほど揃っています。
日本酒が大好きな私にとっては夢のような空間！

店員さんもとても気さくで、好みや気分を伝えるとお酒をセレクトしてくれます。
この日の一押しだよ！　と出してもらったのは、福島のお酒「裏ロ万（うらろまん）」。

  

料理は「NOBU」の経験を生かした創作料理で、旬の食材に合わせて和・洋といったジャンルを超えたメニューを楽しむことができます。

まだ何軒かハシゴするので食事は軽めに……と伝えると、「彩り大根とホタテの貝柱の和え物」（800円・税込）が出てきました。

ちょっとしたおつまみも彩りにこだわっていて、見た目も鮮やか。日本酒のやわらかい飲み口と大根のシャキッとした食感がすごく合います。

がらにもなく食レポみたいなことをしていますが（笑）、じっくりごはんとお酒を味わうことができるのも、一人飲みの良いところかもしれません。

▲「一人飲み最高ですね〜」表情が緩みっぱなしです。

 
これで終わり？いやいや、3軒目も行きますよー！

 

 

行けば誰かに会える店

次のお店に向かう途中で見つけたのが、この「とまれ」のランプ。
結構珍しい形だと思いませんか？

なんとこのランプは福井県の一部の自治体だけで使われている灯器だそうです。昼間はあまり目立たないのですが、夜になると暗闇に「とまれ」の文字が映えますね。

 

3軒目にやってきたのは「FLAT KITCHEN」。

もともとあった古いビルを建築家、デザイナー、公務員などさまざまな仕事に携わる仲間たちが、一棟まるごとリノベーションして生まれ変わらせた、「福井の情報発信基地」のような存在なんです。

2010年の7月にオープンした当初から、「FLAT KITCHEN」は“いつもワクワクすることが起きている場所”として、面白いことを求める人たちが夜な夜な集まってくるんですよ。

行けばいつも誰かに会える、知ってる人がいなくてもその場にいる人たち同士が自然と仲良くなる。はじめて訪れた人も昔からの常連さんのように居心地が良い、ゆるやかな雰囲気が漂っています。

▲店内はエチゼンクラゲをモチーフにしたライトがゆらゆら。

マスターの藤原さんはゆかいで楽しいひとなので、気軽に話しかけてみてください！

「呼んだ？」と振り向く藤原さん

 
「FLAT KITCHEN」はその日の仕入れによってメニューが日替わりなのも特徴的。500〜1000円台を中心に食事からおつまみまでさまざまなメニューが揃っています。

そういや今夜はまだビールを飲んでいないことに気づいた私。
ビールに合うものを！とお願いすると、「ラムの軽いコリアンダー煮込み」（800円・税込）が出てきました。

噛む必要がないほど柔らかく煮込まれたラム。濃厚な味に爽やかなコリアンダーがプラスされていて、ラムの臭みはまったくありません。

▲美味しい！　私今夜は何杯飲んでるんだろう……。

 

お店の外のスペースで飲むのもおすすめ。
少し酔いが回ると、夜風が気持ちいいんです。

 

飲んでいると、仲間が一人、二人と増えていくことも「FLAT KITCHEN」ではよくあることです。
たまたま通りがかった友人も誘って、一緒に飲むことにしました。

夜はまだまだ続きますよ〜！

（photo：出地瑠以）